運賃計算が何故出てくるのか
主に青春18きっぷなどを利用して旅行していると乗車区間の運賃は気にならないのですが、青春18きっぷで特急列車に乗りたい場合など、どうしても乗車券を買わなければいけない場面が出てきます。
運賃計算の原則
運賃を計算しようと思ったらまず時刻表で実際に乗車する区間の距離を計算して、運賃計算テーブルに当てはめるのが原則です。
ここでややこしいのが路線は幹線と地方交通線に分かれていることです。
幹線とは時刻表の索引の地図に載っている黒線で、地方交通線は青線で区別されて表示されています。(運賃計算上新幹線は幹線扱いです)
幹線のみ乗車した場合は乗車した区間の営業キロの合計を幹線の運賃計算テーブルに当てはめます。
地方交通線のみ乗車した場合は乗車した区間の営業キロに地方交通線の運賃テーブルに当てはめます。(JR九州・四国では擬制キロと呼び、営業キロではなく犠牲キロをそのまま運賃計算キロにします。)
また、幹線と併せて乗車した場合は、営業キロとは別に定められている換算キロ(擬制キロ)に幹線の営業キロを加算して計算する運賃計算キロを用いて幹線の運賃計算テーブルに当てはめます。
どの運賃テーブルを使用したらいいのかと言うのが次の問題です。
本州三社(JR東日本、JR東海、JR西日本)とJR北海道、JR四国・JR九州及び、2つ以上のJR各社に渡って乗り通す場合は距離の計算は通算します。
ここで計算した運賃計算キロは1㎞未満は切り上げます。
- 本州三社のみを乗り通した場合
幹線を含めて乗車した場合は幹線用の運賃計算表に当てはめます。
地方交通線のみ乗車した場合は地方交通線用の運賃計算表に当てはめます。
ここで使用した運賃計算表は本州三社とJR北海道、JR九州、JR四国と乗り継いだ場合にも使用します。 - JR北海道のみを乗り通した場合
JR北海道用の運賃計算表を用います。 - JR九州、JR四国のみを乗り通した場合
JR九州、JR四国用の運賃計算表を用います。 - 本州三社とJR北海道・JR九州・JR四国を乗り継いだ場合
乗車した区間の運賃計算キロを本州三社の幹線の運賃計算表に当てはめ、JR北海道・JR四国・JR九州の運賃計算キロを元に加算運賃を計算します。
例1:幹線のみ乗車した場合(東海道本線 横浜~富士間の運賃)
時刻表の営業キロから横浜~富士間の営業キロは117.4キロ。端数を切り上げて118キロ。
これを運賃計算表に当てはめて計算すると1,980円となります。
例2:地方交通線のみ乗車した場合(山口線 新山口~津和野間)
時刻表の営業キロから営業キロは62.9キロ。端数を切り上げて63キロ。
これを地方交通線の運賃計算表に当てはめて計算すると1,170円です。
例3:幹線と地方交通線を連続して乗車した場合(名古屋~津山間)
名古屋~姫路(東海道・山陽本線:幹線)の営業キロは278.3キロと
姫路~津山(姫新線:地方交通線)の換算キロ94.9キロをを合算した
運賃計算キロは373.2キロ。
これを幹線の運賃計算表に当てはめると6,380円です。
例4:本州三社とJR北海道をまたがって乗車する場合(秋田~新青森~函館)
秋田から函館までの営業キロは349キロなので本州の幹線の運賃計算表に
当てはめて6,050円。
そこに新青森から函館までのJR北海道部分の営業キロ167キロを
JR北海道の加算運賃計算表に当てはめて加算額は550円。
これらを合算して秋田~函館間の運賃は6,600円。
例5:本州三社とJR四国をまたがって乗車する場合(大阪~児島~高松)
大阪から高松までの営業キロは249キロなので、本州の幹線の運賃計算表に当てはめて
4.830円。
それに児島高松間のJR四国部分の営業キロは44キロをJR四国の加算運賃計算表に
当てはめて320円。これらを合算して大阪~高松の運賃は4,830円。
例6:本州三社とJR九州を新幹線を利用してまたがって乗車する場合。(熊本~博多~岡山)
熊本から岡山までの運賃計算キロは565キロなので、本州の幹線の運賃計算表に
当てはめて9,130円。それに熊本博多間のJR九州部分の営業キロは119キロなので
JR九州の加算運賃計算表に当てはめて190円。これらを合算して熊本~岡山の運賃は9,320円。
JR北海道と本州三社とJR四国、JR九州に乗り継いだ場合も同様に計算します。
次のページでは運賃計算の特例について紹介します。(こちらの方が遙かに複雑です)
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